100センチの目線

もうすぐ習い事の発表会です。ただでさえ暑いのに荷物が多くて暑苦しくてやってらんないから、素足にぺたんこのサンダル履いて歩いてたら、側溝につまずいて親指の爪から出血しました。三ヶ月前にできた内出血の下からさらに鮮血が溢れ出ました。靴って大事だな……21世紀にもなって古代ローマみたいな楽チンサンダル履いてるからこういうことになる……いや私がつまずいたのが悪いんだけど……

見た目ほどは全然痛くないので、そんなに心配ではないのですが、トウシューズ履いたら出血がぶり返して、リアル血染めの爪先を見た! 延べ10年以上バレエ習ってるけど、血に染まった爪先を初めて見た。これが伝説の血染めのトウシューズ……! と思ったけどトウシューズまでは達してなかった。達されたら困るので良かったです。

 

衣装をつけるリハーサルの時に、突然ちびっこに「どうして頭飾りつけてるの?」って言われて、(どうしてとは!? 配られたからだよ!?)と戸惑っていたら、みんなつけてないのにどうして? という意味だったらしく、着けたいから着けてるんだよ~と答えました。そのあとも「汗すごい」「暑い?」などなど次々に大人に絡んでいてかわいかった。不思議だったけど。なんか見かけない子だったし衣装着てなかったし何者だったんだ。普段話さないのに突然どうした。お稽古場の座敷わらし?

 

我が家はアラサーの男性とアラサーの女性と人間でいうと40~50代の猫という構成で子供はいません。親戚も年が近いか上に離れているかの人々ばっかりで、大人になってから子供とふれ合ったことがあんまりないので、子供の大変な部分を肌で知らないせいか子供を見ているとおもしろい。泣きわめいて抱っこされてどじょうみたいになってる子供とか。電車で興奮して話し続ける子供とか。保護者の人が大変そうな場面ほどかわいいと思ってしまうが、私が保護者だったらパニック起こすな……と思うからこそよその子供はかわいいとかわいいと思って見ていたい。

 

こないだ野球を見に行った時の話。

夫はカープの試合では外野応援席でもなければ必ずホークスのユニフォームを着ていくので、「カープじゃない……」って小声で聞こえてきたり、ノリノリの人に「熱男ー!!」と絡まれることもあります(ユニホームは柳田)。先日は「ソフトバンク!」と発した子供が隣の保護者さんに「急遽福岡から来たのかな!?」と言っていました。急遽来たとしてもユニフォームそのままの必要ないし、ホークスファンが急遽広島-巨人戦を見に来るのも何故……という感じだし、その子の頭の中で一瞬にしてどんなストーリーが築かれたのか聞いてみたかった。おもしろいなー子供。

 

以前、結婚も出産もこれから、という知人が「子供とは小さいうちは絶対一緒にいたいって思うよ~!」と話していて、まだ見たことも会ったこともない人と一緒にいたいかどうかよく分かるね!? と思って夫に話したらいやちょっとそれは(私の思ったところとは)話が違うじゃろうと言っていて、確かに分からんでもないけど、一緒にいたいかどうかはやっぱりわかりません。まあそういうお試しができないところも育児の醍醐味なのかもしれないね。

育児してみたい願望はあるけど、出産についてはさほどでもないので、はいこの子育てて! って割り当てられたら喜んで育てますよくらいの気持ち。どっちにしてもやってみないと何もわからないんだし。

いつか私が産むかもしれないけど今この世に存在しない人のことは何もわからないので、私と夫はともかく、猫は子供に対してどう接するのかなあということのほうが興味がある。私たちより小さくて無遠慮な生き物がうちに来るけどいい? って猫に聞いたら即拒否されそうだな。でも来るときは来る、たぶん前にいた子猫よりはマシだろうから許してあげてくれと言うしかない。猫嫌いの彼女にとっては猫じゃなくて人間っていうところもポイントかもしれない。いつか話してみよう。