下書き大掃除:痴漢に遭った話 #Metoo

痴漢とか付きまとい(ナンパ)みたいな、世間の悪意に触れると疲れるけれども、その多くは触りたくもないのに向こうから触ってくるもので、連鎖的に嫌なことをいろいろ思い返すので大変な害悪である。

でも嬉しかったこととして思い出せることが一つある。嬉しかったというのとはちょっと違うかもしれないけど。

 

学生時代、夜中の2時くらいに自転車で帰っていたら不審者に遭った。道に立ちふさがり、袖をつかんできた不審者を振り払って、そのまま自転車で最寄りの交番に駆け込んだ。

こんな時間に出歩くなんて……とか言われるんかな、と思いながら、「夜分にすみません……」って電話した。そしたら全然怒られなかった。私はその時がそういう被害にあうの初めてで、通報してよかったのか迷いながら話したけど「明らかに不審者だね」「今から行くから交番で待っててください」と丁寧な対応だった。交番に来たのも女性警官と男性警官のペア。主に話すのは女性警官で、男性警官も至極まともな対応。素手で服をつかまれたってことで、DNA出るかもしれないから被害届を出してほしいっていうのは強めに言われたけど、鑑定に出したらこのコート返ってくるん? 来んかったら困る、でも聞けない、と思ってるうちに「帰りたそうだし被害届はなしで」ということになってしまった。被害届出さなかったことは後悔してるけど、当時の状況考えるとしょうがないかなと思う。

 

 

中高生の時より、20代半ばになってからの方が圧倒的に痴漢とか不審者とか付きまとい迷惑行為(ナンパ)に遭うことが増えた。理由は全然分からんけど全部一様に鬱陶しいし死ねである。クソが滅べば済むのになんで私が最寄りの交番覚えとかにゃいかんのじゃ、と思うけど、クソを一日でも早く滅ぼして被害に遭う女の子を減らすためにも積極的に通報していきたい。

 

夫に初めて「今日痴漢に遭ったかも……」と話した時は「勘違いじゃない?」という対応ですごくショックを受けたんだけど、後々話してみたら「楽しくない話題だから話を変えた方がいいと思ったし、肯定した方が傷付くと思った」とのことで、いや逆だよ、傷付くよ、と話したら分かってくれたけれども、私の素晴らしき夫ですらこの程度なので、世の中にはもっとやべー奴いっぱいいるんだと思う。

一口に痴漢とはいっても、微妙なラインのやつがすげー多い。実際私が夫に相談したのも、「車内が空いてるのに手の甲がずっと腰に当たっていた」というもので、夫を擁護するならば普段電車に乗らなくてパーソナルスペースや触られたくなさや体格差を意識せずに生活している人なら「それ痴漢か?」と疑うのもしょうがないのかもしれない。

私自身も微妙だと思った。単純に鈍感な男だったのかもしれないし(それはそれで嫌だけど)、被害届出せるのか分かんなかったけど、不快で怖くて体が固まったのは事実だった。そういうことを打ち明けるのはかなり相手に心を許せていないとできないので、男女問わず「痴漢に遭ったかも」という告白をされたら否定せずに肯定してほしい。

善意から「気のせいだよ~」と言ってしまう気持ちも分からなくはないんだけど、それが相手を傷つけてしまう可能性も考えてほしい。あとは各々の信頼関係に任せます。